「ご利用できます」はNG。接客における正しい敬語の使い方

敬語の使い方ひとつで、その人の評価がガラリと変わるときがあります。年配のお客さんは気になる人も多いようで、SNSなどでは、「年配の人から敬語の使い方で注意を受けた」アルバイトの人たちのエピソードがたくさん転がっています。

最近は、「バイト敬語」と呼ばれるような、ちょっといい加減な敬語が当たり前になりつつありので、正しい敬語を知っている年配の方々には違和感があるのでしょう。

でも、「バイト敬語」がいろんなところで使われているからといって、それを直そうとしないのはちょっと危ないです。バイトをしている間ならまだ良いのですが、社会に出れば、「バイト敬語」なんて使っている人はいません。敬語の使い方は研修などである程度は教えてもらえるでしょうが、長く続いたクセは抜けるまでに時間がかかります。

大事な取り引きを台無しにしてしまわないためにも、「正しい敬語の使い方」は、早めに学んで、できれば実践していくべきです。

ちなみに、タイトルの「ご利用できます」は、「ご利用いただけます」が正しい表現です。

正しい敬語でお客さんとの距離を縮めることができる

「敬語」と聞くと、堅苦しい、面倒くさいというような、あまり良くないイメージをもっている人が多いのではないでしょうか。実際、敬語を覚えるためには、まるで古文の授業のような、ややこしい使い分けをマスターしなければなりません。

しかし、敬語は相手に敬意を伝えることができる、便利なことばなのです。私たちは敬語のおかげで、お客さんや初対面の人、上司ともスムーズに人間関係を築くことができます。逆に、敬語を正しく使えなければ、会社や現場のコミュニケーションで、大きなハンデを背負うことになってしまいます。

敬語を正しく使うことは、お客さんに信頼してもらうための最初の一歩です。接客では、お客さんに信用されないことには商売になりません。

「正しい敬語」を使える人は案外少なく、間違った敬語を正しいと思いこんで使っている人はたくさんいます。それは同時に、「正しく使うことができればそれだけで有利」になれるのです。

基本をおさえることができれば敬語は決してむずかしいものではありません。最初は難しくても、慣れれば意外とスラスラ出てくるようになりますよ。

敬語の使い方

丁寧語

「です」「ます」など。字のとおり言葉を丁寧に表現します。自分の動作に使うことが多いです。


こちらは岩塩です

少し見てきます

ほかにはより深い敬意を示す、「ございます」もあります。


こちらは岩塩でございます

美化語

「お」や「ご」を名詞の前につける表現です。丁寧で柔らかい印象をあたえてくれます。

具体的には、「お会計」だとか「ご注文」といった使い方です。

「お」と「ご」は基本的に、「名詞の部分が訓読みか音読みか」で使い分けをします。「お」は訓読み、「ご」は音読みです。

ややこしそうですが、口に出してみると違和感があるのですぐわかります。おそらく間違っている人もあまりいないと思います。

「ご会計」とか言わないでしょう?

尊敬語

主に相手の動作に使います。相手に直接敬意を表す表現で、お客さんと話すときや、先輩や上司、取引先相手にもよく使います。

尊敬語の使い方は3種類あります。

  1. 動詞に「れる」「られる」をつける
  2. 「お or ご」+「なる or なさる」
  3. あるパターンに言い換える

下になるにつれ尊敬度が高まります。

例をいくつか書いておきます。

1.「れる」「られる」

部長が新聞を読む → 部長が新聞を読まれる

出張に行くんですか? → 出張に行かれるのですか?

会議に来ますか? → 会議に来られますか?

2.「お or ご」+「なる or なさる」

お受け取りしてください → 受け取りなさってください

入場してください → 入場なさってください

お客様が片付ける → 客様がお片付けになる

3.パターン言い換え

後ほど解説します。

謙譲語

目上の人と話すとき、自分の状態をへりくだって表現します。

注意したいのは、たとえば取引先と話す場合、部長のような自分より目上の人であっても、身内として謙譲語で話さなければならないというところです。

取引先などに「大島部長がこう言っていた」と伝えるには、「大島部長がこうおっしゃっていた」ではなく、「部長の大島もこう申しておりました」と部長の動作を謙譲語で表現しなければなりません。

謙譲語には4つパターンがあります。

  1. 「お or ご」+「する」
  2. 「お or ご」+「致す」
  3. 「動詞」+「させていただく」
  4. パターン言い換え

一つずつ例をみていきます。

1.「お or ご」+「する」

課長に成果を伝える → 課長に成果を伝えする

お客様を見送る → お客様を見送りする

旅行を提案する → 旅行を提案する

2.「お or ご」+「致す」

伝えた通りです → 伝え致しました通りです

先月の売上を報告します → 先月の売上を報告致します

待合室に案内します → 待合室に案内致します

3.「動詞」+「させていただく」

退出します → 退出させていただきます

説明します → ご説明させていただきます

寝ます → 寝させていただきます

4.パターン言い換え

後ほど解説します。

尊敬語と謙譲語のパターン言い換え

一番ややこしいのが尊敬語と謙譲語の使い分けです。個別に覚えなくてはいけない表現がいくつかあるので、紹介していきます。

覚えてしまえば、あとは場面によって使い分けるだけです。

尊敬語 もとの言葉 謙譲語
召し上がる 食べる いただく
いらっしゃる、行かれる 行く 参る、伺う
ご覧になる 見る 拝見する
おっしゃる 言う 申す、申し上げる
くださる 与える 差し上げる
お求めになる 買う 買わせていただく
ご存知 知る 存じ上げる
お召しになる 着る 着させていただく
いらっしゃる いる おる

尊敬語と謙譲語は、「誰が動作の主なのか」で判断します。お客さんや目上の人が動作するときは尊敬語、自分や、社内など身内の人間が動作するときは謙譲語を使います。

意識して使うようにしていれば、だんだんわかってくるでしょう。

最後に

敬語についていろいろと書かせていただきました。とくに尊敬語、謙譲語は難しく、最初は混同してしまいがちです。しかし敬語の使い方は、日本で生きていくかぎり避けては通れません。

正しい言葉遣いをある程度頭に入れたのなら、あとは実践あるのみ。根気よく学べば、誰でも身につけることができます。

ライバルに差をつけるためにも、がんばりましょう!

 

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