上司との関係は職場の人間関係のなかでもっとも重要ですが、部下は上司を選べません。
その関係づくりは上司と自分との相性、つまり運で決定してしまうところがあります。
「上司が理解できない」「どうも苦手だ……」
そんな方のために、このページでは合わない上司と当たってしまったときに使える、上司のタイプ別対策をご紹介します。
完璧主義上司

常に向上心をもち、その思想を部下にも押しつけてくる上司です。
無視してもいいほどのちいさなミスも気になってしまうほどにカンペキを目指してしまうので、部下に任せて良いのか、いつも自問自答しています。
このタイプの上司が実力を発揮できるのは、「仕事が自分で管理できる範囲にあるとき」です。
完璧主義型の上司とつきあうときは、上司に頼まれなくても、ひんぱんに仕事内容の報告を行いましょう。
連絡を密にしておくことで、全体像を常に把握してもらいます。
仕事がすべて上司の管理下におかれているなら、このタイプの上司は安心して仕事に取り組むことができます。
センス型上司

自身の理解力や、表現力が高い、いわゆるセンスがある上司で、同じレベルを自然とまわりにも求めてしまっています。
説明がふわっとしており、だいじなことを感覚で決めてしまうこともあります。
仕事では頼りになり、先頭に立ってトラブルに立ち向かってくれますが、肝心なときにはなぜかいないことも。
ふわふわとどこかに行ってしまいがちなので、見つけたら積極的にアドバイスを求めましょう。
説明を受けるときには、「わからない」ことをはっきり伝えてしまうのも手。
自分と上司とのレベルの違いを理解してもらい、ものごとを感覚だけで説明しないよう意識してもらいます。
おせっかい上司
部下の仕事の進み具合をつねにチェックしなければ落ち着かず、口出しをたくさんしてきます。
アドバイスをひんぱんにするため、「前回言ったこととちがうんじゃ?」なんて思われてしまうことも数多く。
口出しはたくさんするけど、責任はとらない、困った上司です。
おせっかいに「ウザい」と思わず、逆に積極的に仕事に口出しさせて、欲望を満たしてあげるのが信頼を勝ちとるコツ。

上司がおせっかいを発揮しやすくするために、状況報告の機会をふやしましょう。
気まま上司

自分の興味のある仕事にはドンドンとりくんでいきますが、あちこちに興味がうつりやすく、次から次へと手を出してしまいます。
仕事の振りわけもうまくないので、たくさんの仕事を抱え込んでしまい、気がついたら手遅れ、なんてことも。
仕事への熱意は人一倍なので、部下へのアドバイスやサポートは入念にする、なかなかたよりになるタイプの上司でもあります。
その人一倍の熱意に共感できるかどうかがカギです。
「わかるやつだ」と思ってもらえれば、仕事の振り分けもうまくできる可能性が高まります。
山積みの書類は上司の「飽き」を助長してしまうので、提出書類は最小限に。
また打ちあわせの回数をふやし、上司がいま何をしているか常に把握しておきましょう。
回避型上司
準備にしっかりと時間をかけ、根回しを大事にする上司です。
日本人にはこのタイプが多いかもしれません。
準備に時間をかけるのはよいのですが、自分で結論を出すことをさけるので、問題を先送りにしてしまうことが多くあります。
いわゆる「太鼓持ち」でもあり、やたらとまわりを持ち上げ、部下のこともよくほめます。
ほめことばに中身がないのがたまにキズです……
1人で仕事をすすめずに、「上司の付き合い」に付き合ってあげましょう。
結論を先送りにさせないために、ときにはあなたが主導権をにぎり、決定させることも必要です。
あなたが自分で結論を出せたなら、上司のメンツをつぶさないために「提案する」という形で意見を出しましょう。
野心型上司

常に前向きで、挑戦することを生きがいのように思っている上司です。
動きがキビキビとしており、人によってはせっかちだと感じるでしょう。
部下は子分のように思っており、自分に賛同するならよくかわいがりますが、いちど敵だとみなせば、とたんに攻撃的になります。
攻撃的になった上司を止める方法は、攻撃を受けたあなたがどれだけモチベーションをなくすか、はっきり伝えることです。
しかし反撃はNG。上司につられて感情的にならず、冷静に意見を伝えましょう。
最後に
タイプ別の上司対策を紹介しましたが、どの対策にも共通するのは「相手の立場にたって考える」ことです。
上司の立場にたって、「いい部下」ってどんなだろう?と想像をふくらませることで、上司とよりよい関係をつくる下地ができていきます。
どうしても上司がダメだ・苦手だ……と思うのであれば、「上司を部下が育てる」という視点をもてば改善できるかもしれません。