オススメの商品をどんどん紹介していきたくなる気持ちはわかりますが、そもそもお客さんはその商品が欲しいの?という疑問は常にもっておかなくてはなりません。
好みは人それぞれ。
あなたにとっては「これ誰も買わないんじゃ……」と思ってしまうようなクセの強い商品でも、あるお客さんのツボにはまって、即決!なときもあります。
いろんな価値観があることを理解して、お客さんのほしいものを一緒にさがしてあげましょう。
まずはお客さんの言葉に耳を傾ける

提案の数はお客さんの数だけあります。なので、なかなかマニュアル化できない部分でもあり、経験がモノをいいます。
あらかじめ準備していた提案の文句がうまくいかないと、それで途切れてしまう。そうなってしまうのは、引き出しがまだまだ足りていないからです。用意しておいた提案の他に、その場で考える提案も必要です。お客さんの個性に合わせた提案を一緒に考えましょう。
ヒントは、お客さんとの会話の中にあります。「なにも思いつかないよ……」というひとは、お客さんの話をよく聞かずに、自分が次なにを言おうか、そればかりを考えていませんか?
自分の考えに気を取られすぎるとお客さんとの会話が噛み合いません。
これではすぐに信用を無くし、自分が一生懸命提案したとしても、今度はこっちがの話が流されてしまいます。
お客さんの話を頭を空っぽにして聞いていれば、上のような事故は防げるはずです。
会話が途切れても問題ない
頭を空にしてお客さんの話に耳を傾けられないのは、その後なにも提案できないことから起こる、「間」を恐れてのことだと思います。でも、会話の「間」を怖がっていたら、接客なんてできません。
「接客」とは、会話を途切れさせないことではありません。変に「間」ができてしまうことも、口ごもることもあって当たり前なのです。目的は話すことではなく、お客さんに満足してもらうことですから。
販売員が理論武装をして、次々と提案を続ける人だったとしたら、お客さんにはかえってプレッシャーとなります。
お客さんが話しているときは、そのあいだは話をじっくり聞いて、そのあと二人でいっしょに考える時間をつくっても大丈夫です。
話に共感し、その上で根拠を考えた提案なら、商品を買う決め手になるでしょう。
無言タイムは話の内容を振り返る時間

話すことがなくなってお客さんが無言で考え込んでいるとき、店員のほうはそれまでの話を振り返ってみてください。来店したときはなんと言っていたか、これまでどんな商品を見てきたか、などを思い返し、お客さんのニーズを再確認します。お客さん自身が最初の目的を忘れてしまっている、なんてこともありえますから。
お互いに話が尽きてしまったとき、前に見ていたものや話していたことを思い返してみることは大切です。無理やり話を進めようとして別の商品に誘導したり、話題を変えたりすると、かえってお客さんを迷わせてしまいます。
一つの商品の特徴などは数分あれば話し尽くしてしまいますから、その商品を実際に使うとどんなメリットがあるか、生活スタイルに合わせた情報を伝えられるといいですね。どんな場面で役に立つのか、いろんな提案をしてみましょう。楽しく話すことができれば、お客さんはその商品のある生活を想像して、気持ちが高まってくるでしょう。