店内の商品を一通り覚えて、お客さんからの質問にもスラスラ答えられるようになりました。
すると、今度は商品知識に差がありすぎてお客さんと会話が噛み合わず、購買に結びつかない……なんてことがよく起こります。お客さんが求めている情報と自分の知識がずれてしまっているんですね。
説明としては正しいので、店員側も何が間違っているのかわからず、混乱しがちです。
お客さんの知りたい情報と自分の知恵を噛み合わせるためにはどうすれば良いのか、解説していきます。
「プロ」と「アマチュア」の差
お客さんは商品やサービスを求めて来店してきます。その場合、店員は商品知識が豊富なプロとして期待されているはず。店内スタッフはお客さんに合った商品を購入するための助言を求められているのです。
店側も期待に答えられるよう、日々努力をしています。マニュアルを作成したり、研修を行ったり、説明会を開いたり……
知識が豊富になっていくのは結構なことです。ますます「プロ」として、自信が出てくるでしょう。
ですが、お客さんはだいたい「アマチュア」なのです。「プロ」側が気をつけないと説明についていくことができません。
専門用語を優しく表現する

知識の豊富そうな店員に、「一方的に商品の情報を説明された」経験は誰しもあるのではないでしょうか。だいたいが自分にとって重要ではない情報で、私の場合、聞き流してしまうこともあります。
店員側が商品について話すときに気をつけたいのは、専門用語や、普段使わないようなカタカナの用語です。
時間をかけて身につけた知識を人に話したい気持ちはわかります。「店員」の責任をはたそうと、商品のあらゆる情報を伝え、納得して買い物をしてもらいたい気持ちも理解できます。
ですが、接客や販売シーンでは、「お客さん優先で考える」ことを忘れてはいけません。
お客さんと同じ目線で商品の良さを説明するために、専門用語やカタカナ用語をできるだけ使わないように心がけましょう。用語を使わないといっても、その部分の説明を省くのではなく、もっとわかりやすい言葉で表現できないかを考えてみます。
家具屋で働いている店員を例にして、少し考えてみます。
この説明をわかりやすくしてみると、
となります。用語を日常会話風にわかりやすく翻訳すれば、知識も伝わるし、お客さんも使うイメージが湧きやすいです。
身近なものに例えたり、比喩表現を使う

どうしてもうまい表現が見つからない場合もあります。そんなときは、わかりやすいものに「例え」てみましょう。
「ポケットコイル」の寝心地を例えるなら、「まるで身体を包み込んでくれるような」といった具合です。
これならあまり詳しくなくてもイメージしやすく、伝えやすい表現といえます。
商品やサービスを別のものにたとえてみたり、イメージを利用するなど、わかりやすい表現を使うことを普段から心がけましょう。何度もやっていくうちに、よりわかりやすい、自分に合った表現が見つかると思います。