
「どこが気に入らないかなんて考えればわかるだろう!」「だからこの店はダメなんだ!」
ただ怒鳴り散らすだけで、どこが怒るポイントだったのか伝えてくれないお客さんがいます。
そんな人に運悪く当たったときは、ただ台風がすぎるのを待つがごとくじっとこらえる。
何もしなくてもひと通り怒鳴れば怒りの炎は徐々に鎮まります。しかし、たとえその場は切り抜けられても、そのうちまた同じ問題が発生するでしょう。
どんなに導火線の短い人でも、きっかけの火がなければ爆発することはありません。
理由を言わず怒鳴り散らすお客さんの悩みを解決するために、クレームの原因を見つける方法を解説していきます。
口で原因を言わなくても「察してほしい」

お客さんが怒鳴っています。怒られるのはイヤだけど、できればいい着地点を一緒に探したい……
でもあんまりにもめちゃくちゃな言い分で、まったく意図がわからない場合に言ってしまいがちなのが、
です。
コレを言ってしまったが最後、お客さんとの間にできた溝を埋めるのは至難の業です。
話は平行線のまま。
こういったお客さんが持つ本当の気持ちは、自分の言い分を察してほしい、という気持ちです。

「そんなものしらないよ!口にだせばすぐわかるでしょ!」と思っちゃうかもしれませんね。
でもお客さんとしては怒っている最中に今さら説明するのも恥ずかしいというかバツが悪いというか、そういう気持ちもわかってあげてください。笑
お客さんと店員を比べると、サービスにまつわる知識や商品知識は圧倒的に店員がもっているわけです。
お店でのできごとに対して店員のほうがたくさん経験値があるのですから、その状況を察することができるのは当たり前、ともいえます。
「察しない、察せない」ことは仕事の放棄であり、「仕事ができない人だ」と言われても仕方ありません。お客さんと状況をしっかり観察し、何が原因なのか、何に対してクレームを言われているのかを分析していきましょう。
「三現主義」で状況を整理する

お客さんに具体的に聞き出してみましょう。
状況をよりくわしく確認するために、「三現主義」を徹底します。
「三現主義」とは、「現場」「現物」「現状」を確認すること。
店の設備が原因ならその「現場」で確認をとります。
商品に問題があれば、「現品とレシート」を見て応対。
接客やサービスに不満がありそうなら、その「現状」を確認しましょう。
これらの情報がそろわないうちに対応を決めてしまうとトラブルにつながりかねません。
悪質なクレーマーの思いどおりにさせないためにも、あわてず証拠が出揃ってから行動を。
お客さんの勘違いを責めないこと
状況を整理してみると、原因がお客さん自身にあった、ということもよくあります。
そんなときは、「勘違いも仕方ありませんでした、申し訳ありません」と共感の言葉をかけてあげるようにしましょう。
そこで万が一お客さんの勘違いを責めたりしてしまうと、それがまた導火線に火をつけて、怒りを爆発させてしまいかねません。
お客さんの勘違いにも共感を示し、謝っておく。
それがクレーマーすら良客にする無敵の接客術です。