- バイトが動いてくれない……
- 関係がギクシャクしている……
といった悩みは、接客業のスタッフ、とくに店長クラスの方にはありがちな悩みです。
接客業ではスタッフ人数の関係で、どうしてもアルバイトを雇わなくてはならないために、現場では「アルバイトの教育ができるか」が最重要なスキルだったりします。
教育をうまく行うためには、ただ単に仕事の進め方を教えるだけではなく、アルバイトの心理にも配慮した行動が必要になってきます。
入ってくるアルバイト君たちの能力もさまざまなので一筋縄ではいきませんが、放任状態だと大きなトラブルにつながりかねません。
今回はアルバイトがもつ仕事への意識と、それを改善して教育する考え方についての記事です。
アルバイトの雇用が不可欠な接客業
よほど社員の人数に余裕のある店舗でもなければ、アルバイトをやとわずお店を経営していくのはかなりむずかしいことです。
しかし、アルバイトでやとわれる人たちには、
- 責任をとりたくない
- 仕事が気に入らなければすぐにやめられる
という意識がどうしてもあります。
そのため、きちんとアルバイトの管理・教育をしておかないと、シフトのドタキャンや早期退職などの問題が起こりやすくなってしまうのです。
また、アルバイトを多くやとっている店舗では、実際にお客さんを接客する機会がたくさんあるのは社員スタッフではなくアルバイトの人たち。
接客態度はお店の評判に大きくかかわります。
教育をしっかりしておかないと、いつの間にかお客さんがいなくなってしまうかも?
若い世代は働くことに対してネガティブ
社会経験のすくない10代、20代前半の人たちは、働くことに対して
- つまらないもの
- 我慢するもの
といった、ネガティブなイメージを持ちがちです。
実際接客のアルバイトに応募してくる若い人たちの動機は、時給が高いから、友だちがそこで働いているから、髪型が自由だから……
などが多く、「接客がしてみたいから」応募してくる人の人数は限られています。
動機がそうした理由なので、仕事にやりがいを感じず飽きることもはやく、「友だちがやめたから」といって芋づる式にいっきにやめてしまいます。
お店側としてはせっかく応募してくれたんですから、できれば長く働いてほしいですよね。
応募してきた人材を逃さないためには、仕事に対して「やりがいがあり、楽しいことだ」と思ってもらう、つまり意識を変えてもらう必要があります。
達成感の積み重ねが仕事の面白さを生み出す
仕事の面白さを感じてもらうためには、こまめに達成感を覚えてもらうことが非常に重要です。
できなかったことができるようになった、という達成感は、大きなエネルギーとなるからです。
なにか趣味に当てはめて考えてみるとわかりやすいと思います。
絵をかくことを趣味にしているなら、その目的は技術の習得であるはずです。
繊細な筆使い、色の濃淡、立体感など、理屈はわかっても最初の方はうまくそれを表現できません。しかし、続けていればできるようになるでしょう。
いままでできなかったはずのことができると、達成感を覚え、この快感のためにさらに頑張ってみたいという気になります。
逆にいつまでたっても上達しない趣味は、続ける気にはならないですよね。
たとえば新人の研修をするなら、ちいさなことでも、達成感を覚えさせるような研修を考えてみます。
新しいことを覚えたなら、自身で満足してもらうだけでなく、店側としても積極的にほめる。ほめられることに達成感を覚えると、だんだん仕事を楽しいと思うようになってきます。
仕事が楽しいと感じられれば、スタッフは自分から頑張るようになるのです。
アルバイトに信頼されるスタッフになる
新しいことをやろうとしても、あなたが信頼されるスタッフでないと、効果がないどころか「面倒くさい」と反発される恐れもあります。
かといって強制しようとすれば、アルバイトはどんどん離れていきます。
キライな人からの指示はどうしても素直には聞けないのが人間の心理というもの。
指示を受けいれてもらうために、まずは信頼されるスタッフを目指しましょう。
アルバイトと社員スタッフの連携がうまくできている店舗を調べてみると、たとえば個人面談を定期的に行っている店舗などがヒントになります。
面談で何を話すのか、ですが
- 月にどれだけ稼ぎたいのか
- 今のシフトで満足しているか
- アルバイト以外ではどんなことをしているのか
- 稼いだお金の主な使い道は?
などなど。アルバイターからこれらを引き出すことで満足できるシフトを組むこともでき、個人のことも知れてより親密になれるでしょう。
また、相手が女性アルバイトであれば、話を聞いてあげること自体が非常に大切なことです。
女性の場合は、ふだんは遠慮して話せないことをため込んでいることも数多くあるからです。
そうした思いを面談で吐き出してもらい、それを聞いてあげることで、スタッフとの信頼関係がより強まります。