誰でも重要な場面に遭遇すると緊張します。年に一度の大会やコンクール、イベントのステージに出場するときなどです。その緊張の度合いが大きくなると、「あがってしまった」状態となります。
この状態になると、普段の実力を発揮することができなくなります。
「あがる」のは、一種の恐怖状態だといえます。恐怖に支配され、それが過度になった状態がいわゆる「あがった」状態です。
恐怖とは、「ある欲望が阻止されようとするときに起こる、苦痛の予知」。要するに、「失敗したらどうしよう」「間違えたらどうしよう」など、これから起こるかもしれない失敗に対する恐怖なのです。
一度くせになってしまった「あがり」は、生活のあらゆる場面で顔を出してきます。人前に出ると、「変に思われていないか」「この行動は悪い評価をされるんじゃないか」などといった恐怖にとらわれ、何をするにもプレッシャーを感じてしまうでしょう。
当サイトでは主に接客のコツや心がけについて解説をしていますが、こういったメンタルの問題を解決することも接客をする上では重要だと考えています。すぐれた才能を持っていても、心が弱っていては力は発揮できませんから。
このページでは、過度の緊張に悩んでいる人、人前であがってしまう人に、いくつか手軽な対策を伝授していきます。苦しんでいる人たちの助けになれば幸いです。
緊張を緩和する、すぐ始められる対策たち
- 身体を動かす、姿勢を正す
緊張することばかり考えていると、それが習慣になり、過去の余計な良くない記憶を呼び出してしまいます。身体を動かし、別のことに関心を向ければ、緩和されていきます。
また、姿勢を正すこともメンタル面にいい影響があります。脳への血流が良くなって、頭痛が緩和されたり、思考力も向上するそうです。
姿勢や猫背について詳しく知りたい方は、「猫背になってませんか?」のページも見てみてください。
- 朝起きたら光を浴びる
光の刺激を受けることで「セロトニン」と呼ばれる精神安定ホルモンを分泌させることができます。不安を感じやすい人は「セロトニン」があまり分泌されていないことが多いため、積極的に日光浴をしましょう。
また、朝に光を浴びることで熟眠ホルモンであるメラトニンが生成されるため、夜にしっかり眠れるようになります。
- イメージトレーニングをする
事前に行動をイメージしておくことで、技術の上達速度が速くなり、自信につながります。上手な人を観察してみることも有効です。
技術が上達して失敗が少なくなっていけば、それだけ「あがる」場面も少なくなってくるでしょう。
- 「キーワード」を設定する
マイナス思考に押しつぶされそうになったときは、自分で決めた、「元気が出るキーワード」を頭の中で唱えます。余計な思考を取り払い、目の前のことに集中する手助けになるでしょう。
わたしの場合は頭のなかで「なるようにしかならない、はやくかかってこい!」なんて唱えています。なぜだか開き直れて、度胸がついたように思えますよ。笑
深呼吸をする

深呼吸を繰り返して呼吸が落ち着いてくると、副交感神経が優位になってリラックスでき、緊張・あがりに非常に効果があります。
目の前にたくさんの人がいる、怖い上司や気になる異性と話す、そんな状況に直面したり、そのことを想像したりすると、呼吸が早くなったり、心拍数が増加するのはご存知の通りです。
体はそのような緊張を異常と考えます。
平常な状態に戻すために必要なエネルギーを得るため、酸素を取り込もうとして呼吸が激しくなります。また、エネルギーを筋肉に送るために心拍数も増え、体温上昇を抑えようと発汗がはじまります。「緊張して汗だく」の状態になるわけです。
緊張しているときは、自律神経のうち、ストレスを感じたときに活発になる「交感神経」が過敏になっています。反対に、深呼吸によってリラックスした状態の「副交感神経」を優位にしてやれば、緊張が緩和されます。
心拍や体温はコントロールできませんが、呼吸はコントロールできます。ですから、緊張した状態になったら深呼吸、というわけです。本番直前の深呼吸は定番ですが、理にかなったリラックス方法なのです。
最後に
なにか試せそうなものはありましたでしょうか?
「あがっている」ことを自覚し、自分がどんな状態か理解しているだけでも、良い効果があります。きっと、この記事を読む前よりも読んだ後のほうが、気持ちがプラスの方向に変わっているはずです。
自分の弱さと向き合い、立ち向かうことで人は強くなっていきます。弱さを自覚し、向き合おうと思えるなら、いつか必ず良いきっかけがつかめます。自分を信じ、鍛えて、時には休ませてあげてくださいね。