
シニア世代への接客は、他の世代のお客さんに比べるといろいろと気を使わなくてはいけません。
高齢のお客さんの割合は業種によってバラつきがありますが、高齢化がどんどん進みつづけ、どんな仕事をしていても高齢者の相手をする機会は増えています。
最近流行りというか、もはや定番となったネットショッピングも、シニア世代にとってはまだまだ信用できないようです。
総務省の統計を見てみると、「信頼できないから、あえてネットで買い物をしない」人は高齢者が一番多い。
ネットを使わないとなると、店舗で買い物をするしかなくなります。
接客に従事している人はわかると思いますが、とくに平日は高齢のお客さんがほとんど。
なかには気難しいおじいさんなんかもいたりしますね。そんな人に限ってよく来店されるので、「相手するの、もうイヤ!」なんて思ってしまったり。
でも逃げるわけにはいきません。どうやって対応すればお互い気持ちよくいられるのか、考えてみました。
いまどき常連客の大半はシニア世代

今後さらに少子高齢化が進み、日本の経済はしぼんでいきます。
今までの売上を維持し、伸ばしていくためには、ひとりひとりのお客さんに向けより深くアプローチし、リピーターを増やしていかなくてはなりません。
「常連客」をいかに確保していくかが店舗存続のカギです。
シニア世代の方々は、他の年代に比べると、一度気に入った店に何度も足を運んでくれる傾向があります。
行動範囲が狭くなり、いちいち店を変えて足を運ぶのはおっくうになってくるためです。
なので、あちこちに興味が移る若年層に比べて、常連になってくれる可能性が高い。
大切にすれば、「生涯顧客」となり、お店の期待に答えてくれるはずです。
そして、高齢のお客さんが重視するのは何よりも人とのつながり。
丁寧に接してあげれば、気持ちのいい接客をしてくれた「あなた」に会いに来てくれます。
これからの接客は、シニア世代に気に入ってもらえるコトが生き残る大きな武器になっていくでしょう。
過度な同情は気に触る

気を使われすぎるのは居心地が悪いもの。
気を配れることは素晴らしいことで、もちろん大事なことですが、何事もやり過ぎは厳禁です。
腫れ物を触るような接客は逆に失礼。
さり気なく、スマートに気を使いましょう。
また、お年寄りだから気づかないだろうといい加減な行動に出る人もいるかも知れません。
長い人生を生きていると人をみる目が鍛えられていくものです。
いい加減な接客をする人は、意外とバレてしまっていますよ。
お年寄りは急かさないこと
年を召されてくると、どうしてもテキパキした動きが苦手になってきます。
回転の早い店だと、他のお客さんへの配慮もあって、急かす空気になってしまいやすくなるので気をつけましょう。
例えばこんな場面がありました。
常連さんの中に動きがゆったりしたおじいさんがいらっしゃいます。
いつもは空いた時間帯に来てくれるのですが、その日はたまたま、混雑する時間帯に来店されました。
お札を持っていないようで、会計で小銭がなかなか数えられないようです。後ろにはすでに何人かお客さんが並び始めています。
おじいさんは焦って慌てます。私もオロオロ。
その結果、手がすべって地面に散らばる小銭たち……。お会計は一旦中断。みんなで小銭探しタイムに突入です。
お年寄りに「焦り」は禁物。
焦りは事故や怪我の原因にもなります。なるべくゆっくりでもOKな雰囲気づくりをしてあげましょう。
「慌てていただかなくても大丈夫ですよ♪」と声をかけてあげると気をラクにしてもらえるかもしれませんね。